メール仕様

この章ではメール送受信の仕様について説明します。

メール受信処理サービスによるアサインの流れ

"メール受信サービス" による担当者決定の流れを、以下に示します。

コールアサインサービスによる再アサインの流れ

"コールアサインサービス" による担当者再アサインの流れを、以下に示します。

関連コールの仕組み

FastHelp5 から送信された顧客への返信メールに対して、再度問い合わせがあった場合、 そのメールは新しいコールとして登録されます。
この時に、受信したメールの件名に、前回受信したメールの [コール番号] が、FastHelp5 既定のフォーマットで記載されている場合は、前回の問い合わせに対しての再問い合わせとみなし、自動で、前回の問い合わせコールとの関連付けを行います。
このように関連付けを行い、複数回にわたるメールのやり取りを一連のケースとして管理します。

関連コールを紐付ける仕組みについて、以下に示します。

  1. 新規メールの受付
    顧客からのメールを受信します。コール番号が発番され自動的にコールとして登録されます。
  2. FastHelp5 から返信メールの送信
    担当者はコールに対して返信メールを作成し、FastHelp5 より送信します。
    この時、メールの件名に "オリジナルの件名+[#コール番号#]" のように、コール番号を付加します。
  3. 顧客からメール返信
    顧客が 2. で FastHelp5 より返信されたメールに対して、メール返信した場合、メールの件名に "オリジナルの件名+[#コール番号#]" が設定されたまま返信されます。 FastHelp5 は "[#" および "#]" で囲まれた数字が件名に含まれていた場合、継続した内容のメールであると判断し、自動的に前回メールを親コールとして 関連付けを行います。
ポイント

内部受信の仕組み

通常、メールは 1 件のコールとして登録されますが、FastHelp5 から送信した "転送メール" への返信は、"内部受信" として問い合わせ元コールと同じケースに登録されます。
FastHelp5 は、受信したメールの件名に、転送メールの [送信番号] が FastHelp5 既定のフォーマットで記載されている場合に、受信メールをお問い合わせではなくエスカレーションに対する返信とみなし、"内部受信" として登録します。

内部受信と判断する仕組みについて、以下に示します。

  1. 新規メールの受付
    顧客からのメールを受信します。コール番号が発番され自動的にコールとして登録されます。
  2. 外部担当者へのメール転送
    担当者コールの回答支援のために、外部担当者などに転送メールを作成し送信します。 この時、メールの件名には "オリジナルの件名+[$送信番号$]" のように、送信番号を付加します。 顧客からのメールを受信します。コール番号が発番され自動的にコールとして登録されます。
  3. 外部担当者からのメール返信
    外部担当者が 2. で送信された転送メールに対してメール返信した場合、メールの件名に "オリジナルの件名+[$送信番号$]" が設定されたまま返信されます。 FastHelp5 は "[$" および "$]" で囲まれた数字が件名に含まれていた場合、内部受信メールであると判断し、自動的に転送元メールのコールに "内部受信" として登録します。
ポイント
  • 送信メールの件名に "[$送信番号$]" を自動で設定できる予約記号 %RELATED_SEND_MAIL_ID% があります。
    [メール送信設定] の [件名初期表示] でこの予約記号を利用すると、送信メール作成時に自動で "[$送信番号$]" に変換できます。
    メールオプション - 運用ガイド
    [メール返信設定] の設定手順については、以下を参照してください。
    メール送受信設定を登録する - [メール送信設定] を登録する - メール送信設定 を登録する
  • 顧客からの返信メールに "[$送信番号$]" が含まれていない場合は、FastHelp5 は内部受信としての登録は行いません。コールとして登録します。

定型メールの書式

受信メールをコールとして登録する際に、そのメールが FastHelp5 での規定文言を含んでいる場合、FastHelp5 はそのメールを "定型メール" として判断します。
定型メールの場合、FastHelp5 は本文より、顧客に関する情報を解析し、顧客情報の登録、更新を行います。また、本文より問い合わせに関する情報を解析し、コール項目への登録を行います。
解析の対象となる情報は、一定の書式(フォーマット文字列) で書かれている必要があります。

たとえば、既存の Web サイト上の問い合わせ用フォームなどに入力された値を FastHelp5 にメール経由で登録させる場合に、各入力値にフォーマット文字列を付与すると、そのメールをコールとして登録するとともに、本文中のメールアドレスを元に FastHelp5 の顧客情報を特定し、更新します。

定型メールの条件

以下の条件を満たした場合に、 "定型メール" として解析します。 条件を満たしていない場合には、"通常のメール" として コールの生成のみを行います。

  • 業務グループのメール受信設定で "定型メール解析" を利用する設定になっている。
  • 本文内に一定の書式で 姓 (%LNAME%) が書いてある。
  • 本文内に一定の書式で メールアドレス (%EMAIL%) が書いてある。
  • 定型メール本文内のフォーマット文字列が規定の書式で記載されている。

また、以下の設定がある場合は、コールオプション項目への登録は行いますが、顧客情報は更新、新規作成されません。

  • 業務グループのメール受信設定で "顧客情報を更新する" がオフである。

定型メール記述方法

"フォーマット文字列" で FastHelp5 に登録する文字列を囲む形にして、メール本文に記述します。

  • フォーマット文字列が本文中にセットされてない項目については更新しません。
  • フォーマット文字列が本文中にセットされていて、フォーマット文字列に囲まれた文字列が空の場合、空文字で更新します。
  • フォーマット文字列に囲まれた文字列中の改行コード、および前後の半角スペースは無視します。
  • フォーマット文字列に囲まれた文字列が最大桁数を超えていた場合、最大桁数で切って更新します。
意味 結果
%LNAME%山田%LNAME% 姓は更新対象であり、値が "山田"である "山田" で登録
%TEL1% %TEL1% 電話番号1 は更新対象であるが、値がない 新規登録の場合: 電話番号1なし
[更新の場合] 電話番号1を空文字で更新
%TEL1% がない 電話番号1 は更新対象ではない 新規登録の場合: 電話番号1なし
[更新の場合] 電話番号1を更新しない

"フォーマット文字列" 一覧

次に、"フォーマット文字列" 一覧についての注意事項をまとめます。

  • 以下の "フォーマット文字列" は必ずしもすべて使う必要はありません。上記 "定型メールの条件" と "定型メールの記述方法" を満たしていれば、その他の項目はなくても定型メールとみなします。
  • 下の一覧には、たとえば [顧客登録番号] のように、1 つの項目に複数の "フォーマット文字列" が指定されている箇所があります。
    これは、どちらのフォーマット文字列を指定しても同じ結果が登録されることを意味します。
  • "入力制限" の列のそれぞれの用語の意味は次のとおりです。
    • "日付" は、"YYYY/MM/DD HH:MM:SS" 形式で登録してください。なお時間 ("HH:MM:SS") を指定せずにアップロードした場合は、時間部分には "00:00:00" が入力されます。)
    • "電話番号" は、半角数字 および "-" のみ入力できます。
    • "半角英数" は、半角英字 および 半角数字 のみ入力できます。
    • "半角数字" は、半角数字 のみ入力できます。
    • "郵便番号" は、半角数字 および "-" のみ入力できます。
  • 項目によっては、"備考" に "[コード内容] として指定されている文字列を指定すること" と記述されているものがあります。これは、コードデータの内容として管理者が定義した内容 (文字列) を指定することを意味します。たとえば、[コードデータ] - [国] に "日本" が定義されている場合、顧客の国を日本と指定するには、%CUSTOMER_COUNTRY%日本%CUSTOMER_COUNTRY% と指定してください。
  • [製品] [子製品] に関しては、次の点に注意してください。
    • ユーザが指定した値が [製品名] として見つかった場合のみ、顧客情報が更新されます。 指定値が見つからなかった場合は、[未設定] が設定されます。
    • 子製品名のみを指定した場合、データとして不完全であるため、子製品の入力は無視されます。
    • 製品名と子製品名の両方を指定した場合、製品名と子製品名の両方が子製品マスタの内容と一致する場合登録されます。

フォーマット種類 対象項目 フォーマット文字列 桁数 入力制限 備考 必須項目
コールの情報 タイトル %CALLS_TITLE% システム環境変数 TEXT_LIMIT_TITLE の設定値となる。初期値は4000。      
コール登録番号 %CALLS_SUB_CALL_ID% 80      
受付種別 %CALLS_REG_TYPE% 200   [業務グループコードデータ] - [受付種別] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
登録日時 %CALLS_REG_DATE% - 日付    
優先度 %CALLS_PRIORITY% 200   [業務グループコードデータ] - [優先度] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
問題タイプ %CALLS_PROB_TYPE% 200   [業務グループコードデータ] - [問題タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
問題詳細 %CALLS_PROB_TEXT% サイズは、システム環境変数 TEXT_LIMIT_BODY の設定値となる。初期値は、100000。      
問題詳細 [%DESC%] コールの受信本文 (問題詳細) の始まりを表す。他のフォーマット文字列と異なり、登録する文字列を囲むのではなく、開始位置のみを指定する。開始位置以降は、すべて問題詳細として登録される。
問題詳細のサイズは、システム環境変数 TEXT_LIMIT_BODY の設定値となる。初期値は、100000。
     
回答タイプ %CALLS_ANS_TYPE% 200   [業務グループコードデータ] - [回答タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
回答詳細 %CALLS_ANS_TEXT% サイズは、システム環境変数 TEXT_LIMIT_BODY の設定値となる。初期値は、100000。      
備考 %CALLS_NOTE_TEXT% システム環境変数 TEXT_LIMIT_TITLE の設定値となる。初期値は4000。      
受付窓口名 %CALLS_DNIS_NAME% 512      
受付電話番号 %CALLS_DNIS_TEL% 64 電話番号    
相手先電話番号 %CALLS_ANI_TEL% 64 電話番号    
社員連絡済 %CALLS_EMPLOYEE_CONTACT_FLG% 1 ON:1
OFF:0
   
コールカテゴリ n 番目のコールカテゴリのカテゴリレベル 1 %CALL_CATEGORYn_1% 512   [コールカテゴリ] - [カテゴリ名] を指定すること。一致するデータが見つからない場合は [未設定] が設定される。  
n 番目のコールカテゴリのカテゴリレベル 2 %CALL_CATEGORYn_2% 512    
n 番目のコールカテゴリのカテゴリレベル 3 %CALL_CATEGORYn_3% 512    
n 番目のコールカテゴリのカテゴリレベル 4 %CALL_CATEGORYn_4% 512    
n 番目のコールカテゴリのカテゴリレベル 5 %CALL_CATEGORYn_5% 512    
コールオプション コールオプションデータ %CALL_OPTION_VALUE_ID% 512   IDにはオプションタイプ識別子を指定すること。  
製品情報 n 番目の製品名 %ITEMn_NAME% 512    
子製品 n 番目の子製品名 %ITEM_CHILDn_NAME% 512    
顧客の情報 顧客登録番号 %SUB_CUST_ID%
%CUSTOMER_SUB_CUST_ID%
80      
顧客タイプ %CUST_TYPE%
%CUSTOMER_CUST_TYPE%
200   [運営元コードデータ] - [顧客タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
顧客ランク %CUSTOMER_CAUTION_FLG% - 0: なし
1: ☆
2: ☆☆
3:☆☆☆
   
性別 %SEX%
%CUSTOMER_SEX%
- "0":(未設定)
"1":男性
"2":女性
   
顧客の姓 %LNAME%
%CUSTOMER_LNAME%
200     必須
顧客の名 %FNAME%
%CUSTOMER_FNAME%
200      
顧客の姓カナ %LNAME_KANA%
%CUSTOMER_LNAME_KANA%
200      
顧客の名カナ %FNAME_KANA%
%CUSTOMER_FNAME_KANA%
200      
生年月日 %CUSTOMER_BIRTHDAY%   日付    
n 番目の電話番号タイプ %CUSTOMER_TELn_TEL_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客電話番号タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目の電話番号 %CUSTOMER_TELn_TEL% 64 電話番号    
電話番号 1 %TEL1% 64 電話番号    
電話番号 2 %TEL2% 64 電話番号    
電話番号 3 %TEL3% 64 電話番号    
電話番号 4 %TEL4% 64 電話番号    
n 番目のFAX 番号タイプ %CUSTOMER_FAXn_FAX_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客FAX番号タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目のFAX 番号 %CUSTOMER_FAXn_FAX% 64 電話番号    
FAX 番号 1 %FAX1% 64 電話番号    
FAX 番号 2 %FAX2% 64 電話番号    
n 番目のメールアドレス タイプ %CUSTOMER_EMAILn_EMAIL_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客メールアドレスタイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目のメールアドレス %CUSTOMER_EMAILn_EMAIL% 512      
メールアドレス 1 %EMAIL% 512     必須
%CUSTOMER_COUNTRY% 200   [コードデータ] - [国] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
郵便番号 %ZIP%
%CUSTOMER_ZIP%
64 郵便番号    
都道府県 %PREF%
%CUSTOMER_PREF%
200   [コードデータ] - [都道府県] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
住所 1 %ADD1%
%CUSTOMER_ADDRESS1%
512      
住所 2 %ADD2%
%CUSTOMER_ADDRESS2%
512      
住所 3 %ADD3%
%CUSTOMER_ADDRESS3%
512      
住所 1カナ %CUSTOMER_ADDRESS_KANA1% 512      
住所 2カナ %CUSTOMER_ADDRESS_KANA 2% 512      
住所 3カナ %CUSTOMER_ADDRESS_KANA 3% 512      
備考 %NOTE%
%CUSTOMER_NOTE_TEXT%
システム環境変数 TEXT_LIMIT_TITLE の設定値となる。初期値は4000。      
勤務先名 %COMP_NAME%
%CUSTOMER_EMP_NAME%
512      
勤務先名カナ %CUSTOMER_EMP_NAME_KANA% 512      
勤務先役職 %POST%
%CUSTOMER_EMP_MAN_POS%
512      
勤務先部署名 %DEPT%
%CUSTOMER_EMP_DEPT%
512      
勤務先国 %CUSTOMER_EMP_COUNTRY% 200   [コードデータ] - [国] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
勤務先郵便番号 %CUSTOMER_EMP_ZIP% 64 郵便番号    
勤務先都道府県 %CUSTOMER_EMP_PREF% 64   [コードデータ] - [都道府県] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
勤務先住所 1 %CUSTOMER_EMP_ADDRESS1% 512      
勤務先住所 2 %CUSTOMER_EMP_ADDRESS2% 512      
勤務先住所 3 %CUSTOMER_EMP_ADDRESS3% 512      
勤務先住所 1カナ %CUSTOMER_EMP_ADDRESS_KANA 1% 512      
勤務先住所 2カナ %CUSTOMER_EMP_ADDRESS_KANA 2% 512      
勤務先住所 3カナ %CUSTOMER_EMP_ADDRESS_KANA 3% 512      
n 番目の勤務先電話番号タイプ %CUSTOMER_EMP_TELn_TEL_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客電話番号タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目の勤務先電話番号 %CUSTOMER_EMP_TELn_TEL% 64 電話番号    
n 番目の勤務先 FAX 番号タイプ %CUSTOMER_EMP_FAXn_FAX_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客FAX番号タイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目の勤務先 FAX 番号 %CUSTOMER_EMP_FAXn_FAX% 64 電話番号    
n 番目の勤務先メールアドレスタイプ %CUSTOMER_EMP_EMAILn_EMAIL_TYPE% 200   [運営元コードデータ] - [顧客メールアドレスタイプ] の [コード内容] として指定されている文字列を指定すること。  
n 番目の勤務先メールアドレス %CUSTOMER_EMP_EMAILn_EMAIL% 512      
顧客オプション 顧客オプションデータ %CUST_OPTION_VALUE_ID% 512   IDにはオプションタイプ識別子を指定してください。  
契約 n番目の契約名 %CONTRACTn_NAME% 512